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ヒューマンライフコード株式会社

ヒューマンライフコード株式会社

二人の共通項は ”パッション”

目次

基本情報
サマリー
本編
はじめに
互いの事業の原点について
両社の連携が生まれた背景とは
フィリピンでの課題と連携の意義
対談から2年──2026年現在の取り組み

基本情報

社名:ヒューマンライフコード株式会社(東京都)
代表者名:代表取締役社長 原田 雅充
事業内容:再生医療等製品の研究開発・製造・販売
WEB: https://humanlifecord.com/

サマリー

・ヒューマンライフコード株式会社と株式会社Proud Partnersは、一見、畑違いの業界にいる企業のように思えますが、「情熱を原点に、アジアの医療課題を解決する循環型エコシステムを共創する」という両社の強い想いが、フィリピンでの連携を生みました。
ヒューマンライフコード社の医療技術とProud Partners社の人財・海外展開支援が組み合わさることで、アジアにおける持続可能な細胞治療の未来が現実味を帯びてきています。

本編

はじめに

フィリピンをはじめとするアジア地域では、再生医療や細胞治療への関心が高まる一方で、品質管理や製造基準など安全性・有効性の観点から、持続可能な医療基盤の構築が求められています。

ヒューマンライフコード株式会社は、日本で培ってきた臍帯由来間葉系間質細胞(UC-MSC)の製造技術・品質管理・臨床開発ノウハウを基盤に、アジア各国における持続可能な細胞治療エコシステムの構築を目指しています。

今回の対談では、その構想の実現に向けて連携を進める、ヒューマンライフコード株式会社 代表取締役社長 原田雅充氏と、外国籍人財の支援および海外展開支援を手がける株式会社Proud Partners 代表取締役 鈴木竜二氏が、それぞれの原点や事業にかける想い、そしてアジアで目指す未来について語りました。

互いの事業の原点について

原田)「特定技能人財の紹介・定着支援事業」につながるまでの経緯を教えてください。

鈴木)中学卒業後、高校・大学をオーストラリアで過ごし、帰国後1年間の会社員を経て、2012年7月、23歳の時に飲食業で起業をしました。3年間で10店舗まで拡大したのですが、当時の飲食業界は、長時間労働、社会保険未加入が当たり前で、「働き方」という観点では未熟な業界だったため、人財の採用がとても難しく苦労しました。

当時の自分は、飲食業が一番起業しやすかったという理由だけで始めたため、飲食業に対する志や情熱は強くはありませんでした。そのため、人を魅了することができず、採用につながらず、結果、スタッフへの負担もかかり、顧客の満足度も下がり、人が離れていくばかりでした。あの頃の私に情熱があればその状況も乗り越えられたかもしれません。

原田)自分を振り返って情熱がなかった、とはなかなか気付けないものです。そこに気付けたきっかけは何かあったのですか?

鈴木)当時は気付いていませんでした。ただ嘘をつきたくなかった。私についてきてくれているスタッフにビジョンを語ることもできず、だましだまし事業を続けている自分に嫌気がさしていました。
そして、2014年、店舗をたくさん作ってきた経験を活かして、店舗設計施工の仕事をやってみようと思い、飲食業から建設業に事業転換をしました。5年間で300店舗以上の設計施工を請負い、業績も右肩上がりで成長していったのですが、ここでも職人の確保に非常に難儀しました。当初は施工部隊を内製化していたのですが、職人が一度離れていくと新規採用が不可能に近い状態でした。ここでも気付きました。自分はこの事業に情熱がない。だからこれを乗り越えることができない、と。

原田)そもそも、なぜ建設業をやろうと思ったのですか?



鈴木)建設業は、売上金額が大きいためビジネスとして成り立つと思い、始めました。利益も出ていたのですが、人が採用できないため、外注コストがあがり、事業を継続するために安く工事を受注し、結果利益率が下がり、従業員の給料を上げることもできませんでした。自転車操業状態で、事業自体への意味を見いだせずにいました。
思い返すと、なりゆきで儲かると思ったから始めたのであって、情熱がなかったんですよね。2回の失敗で、私は自信喪失状態でした。

自分は何だったら本気になれるのだろう、自分のパッションってなんだろうと考えましたね。逡巡するうちに、「自分は困っている人を助けるのが子供の頃から好きだった。自分のためには本気になれないけれど、人のためなら本気になれるのではないか。困っている人を助けたい。」、そんな一つの答えにたどり着いたのです。



ちょうどその時、技能実習という制度があって、その面接に一緒に行ってみないかと知人に誘われてベトナムに行きました。そこには、自分は家族のために日本に行きたい、自分の人生を変えたい、と強い想いを持って面接に来ている18歳から25歳までの少年たちがいました。「日本企業は人財確保に困っている、面接に来ている少年たちは人生を変えたい。この困っている人同士をどうにかしたい」と思いました。「これだったらお金ではなく本気になれる。こんな良い仕事はない」と感動し、「これからは、自分の情熱を傾けられるもの、志をしっかり持てるものだけをやっていこう」とその時思いました。

私は母が韓国人、父が日本人のハーフで、幼少期にいじめに遭ったこともありました。ハーフである自分に劣等感を持ち、協調性を重要視している日本の教育環境に違和感を持っていたこともあり、中学卒業後にオーストラリアに行き、グローバルでダイバーシティのある社会を知りました。日本での住みにくさを経験し、オーストラリアでは外国人として異国に住む大変さも理解しました。2回の失敗を経て、外国籍人財のサポートをしたいと思った時に、当時の経験とその瞬間が点と点で結ばれました。

そして、外国籍人財のために何かしようと思っていた矢先に、人手不足が深刻な産業に外国籍人財を労働者として受け入れるという特定技能制度が2019年4月に開始されることを知りました。中身を見てみると、自分が採用で苦労した飲食業と建設業が含まれていたのです。私は、「自分が経験したこの二つの業界での外国籍人財をサポートしていかなければ」と強く思い、今につながります。

原田)私自身も、「本当に社会に必要とされることを、自分の人生をかけてやりたい」という想いが、この事業の原点にあります。
もともとアメリカの製薬会社で細胞治療に携わる中で、実際に患者さんが回復していく姿を目の当たりにし、「細胞治療には、今の医療では救えない患者さんに新たな選択肢を届けられる可能性がある」と強く感じました。その一方で、細胞治療は非常に高額で、一部の人しかアクセスできないという課題もありました。だからこそ、「持続可能で、より多くの人に届けられる細胞治療」を実現したいと思ったのです。



原田)その中で着目したのが、”へその緒(臍帯)”でした。
へその緒は、本来であれば出産後に廃棄されるものですが、そこには高い増殖能や免疫調整能を持つ間葉系間質細胞(MSC)が含まれています。しかも、へその緒由来の細胞は、一本から非常に多くの患者さんに届けられる可能性があります。

単に新しい治療薬を作るだけではなく、「限られた医療資源を、持続可能な形で社会に循環させることができるのではないか」と考え、2017年にヒューマンライフコードを立ち上げました。

そういう意味では、鈴木社長がおっしゃった「人を支えたい」「社会課題を解決したい」という想いには、とても共感する部分があります。そして、その想いを日本国内だけでなく、アジアを含めたグローバルな視点で実現しようとしている点も、非常に共通していると感じています。

鈴木)当社は、これまで累計約7,841名の外国籍人財の支援をしてきました(詳しくはこちら)。その中で、「企業が人財不足の改善に外国人雇用を続けるとして、その先には何があるのか?日本は人口が減少し高齢化が進み、内需も縮小していく。そうなった時に、企業としては国内だけではなく海外進出が必須となってくるのではないか。そうであれば、グローバル展開を見越して外国籍人財を採用し、経験を積み、信頼関係を構築していけば、彼ら彼女らが母国に帰る時に、企業は一緒に進出ができるのではないか。」、そんな気付きがあり、今では人財だけではなく企業の世界進出のコンサルティング事業も行っています。

当社は現在、外国人雇用のスタンダードを構築することと、日本の魅力を世界に発信することの二軸で事業を展開しています。
20年前と比べると、今の日本はGDPでは中国に追い抜かれ(詳しくはこちら)、1人あたり名目GDPに至っては 2025年の最新値で韓国に追い抜かれています(詳しくはこちら)。正確さ、安心安全、信頼、これらの日本の良さが昔は重要視されていましたが、時代の変化とともにその良さが足かせになりグローバル化が遅れていることを肌で感じています。それでも日本の魅力はたくさんあるので、自分たちが間に入って海外展開のサポートをしています。

今回のヒューマンライフコードとの取り組みに関しても、日本の素晴らしい技術を世界に発信するという軸において、非常に当社とマッチしています。当社は医療技術だけではなく、外食業、ゲーム業界などにおいても多種多様のブリッジ役を担っています(詳しくはこちら)。

両社の連携が生まれた背景とは



原田)私たちに共通しているのはパッション。心からやりたいという想いがその人を動かし、共感が共感を呼んで事業として成り立ってくる。共感する人がいないと事業は成り立たない中で、鈴木社長も熱量を持って取り組んでいるご様子がよく分かりました。
幼少期の経験、特に高校からのオーストラリア留学でのご経験が大きく影響し、客観的に日本を見る視点が養われ、それがベトナムにつながっているんですね。

私もパッションを持ってこの事業を自ら成し遂げたいと2017年に立ち上げ、今こうして鈴木さんとつながったわけですが、当初は鈴木さんから当社のHPを見ていただいてお問い合わせいただいたんですよね。最初は両社の事業領域がどのようにつながるのかイメージがつかず、ネガティブな印象を抱いていました。しかし、添付されていた提案書にはアジアにおける医療環境の課題感、生物資源としての臍帯血・臍帯の有用性がしっかり書かれており本気度が感じられ、一度話を聞いてみようと思いました。

数回の打ち合わせを重ね、信頼関係ができてきて、具体的な話になり始めた際に事業のオーナーであるエミリオさんにお会いしたんですよね。エミリオさんのお子さんは脳性麻痺で、フィリピンには困っている子供が多くいる現状を訴えており、彼自身それをどうにかしたいと、彼が医療と真っすぐ向き合っている姿を見て、業務提携に向けて具体的に話が進んでいきました。

私も実際にフィリピンに行かせていただき、ただ医薬品を届けるだけでなく、今の医療では救えない新たな選択肢を届けるのはもちろん、それだけではなく、自給自足できる環境をつくることが、フィリピンと当社にとってwin-winの関係になる道筋が見えました。
また、現状は、劣悪な環境でお産されている現状があることも知りました。そのような環境での臍帯は臨床的には使えません。当社の事業は、そんな社会課題でもあるお産の環境を整えることにもつながります。へその緒からの細胞を活用した細胞治療は国産国消型です。その結果として収益が生まれ、その収益がお産環境の改善につながります。健康に出産できる環境を作ることが健康なへその緒をもたらし、それが治療薬になり、困っている患者さんにつながっていくサーキュレーション型のモデルができます。
パッションを共通項として、当社の技術とノウハウ、そして事業を展開するために必要な人財の派遣と教育を御社に担っていただく、二社の連携は、現在すでに具体的なプロジェクトとして動き始めています。

■2021年9月、東京大学医科学研究所内で稼働開始した細胞加工製造施設(写真提供:ヒューマンライフコード株式会社)

フィリピンでの課題と連携の意義

原田)当社のロゴは二つの羽です。一つは世界初のへその緒からの細胞を医薬品化にすること、そしてへその緒から治療薬を生み出し、お産の環境を改善していくという循環型のエコシステムを創っていくことを第二のミッションとしています。
アジアは健康寿命の延伸を主軸にしてエビデンスを獲得し、そしてエコシステムを国ごとにしっかり根付かせていく。まさに御社と連携してエコシステム形成に向けた取り組みが動き始めています。フィリピン、マレーシア、各アジアにへその緒からのエコシステムを日本からつなげていく、私はそれを”AsiaCORD”と命名しています。

臨床試験も着実に進展し、2023年からは収益もあがるなど、事業基盤の強化が進んでいます。財務基盤、技術ノウハウの基盤、サプライチェーンの基盤を強みにしてグローバルに展開していく。それが人とセットになっている。人が育たなければ事業は発展しません。そこが鈴木さんと出会って一番感銘を受けたところであり、信頼できる仲間とともに事業を展開していく。現在、フィリピンでの具体的な事業展開に向けた準備・連携が進んでいます。

鈴木)フィリピンでは、先天性疾患を抱える子どもたちの話を耳にする機会が多く、医療やお産環境の重要性を強く感じています。データがあるわけではないのですが、知り合った方のお子さんも先天性障害を持っている方が多いです。

原田)医学的には「ドーハの理論」と呼ばれるエビデンスがあります。妊娠の初期から生まれるまでの妊娠期間に母体がさらされている環境によって先天性の疾患が出てくるという調査結果が出ています。具体的に何がトリガーとなっているかは特定されていませんが、臍帯血の中の成分を分析してみると、毒性のある環境因子が一つ要因としてあげられます。

お母さんがどういった環境で妊娠してからお産までを過ごされているのか、とても大事なのです。お産環境を改善することによって、先天性疾患を予防できることにもつながるのではないかと考えています。
お産環境からはじまるエコシステムの形成は待ったなしに手掛けていかなければなりません。

妊婦さんが心身ともに健康でいられるように、国際協力機構(以下、JICA)が助産師さんを派遣していると聞きましたが、JICAだけではない、民間主導のあらゆる取り組みも必要であると思っています。
脳性麻痺も統計学的にはフィリピンやベトナムに非常に多いことが分かっています。やはりお産の環境は大事です。今後はそのあたりも研究テーマとして、アジア各国の臍帯血を集めて日本をスタンダードとして研究、解析し、先天性疾患の赤ちゃんが生まれない予防策につなげていく。世界保健機関(WHO)と連携してできるプロジェクトと考えています。
それを含めての”AsiaCORD”。共に創っていきましょう!

対談から2年──2026年現在の取り組み

2024年の対談当時に語っていた「アジアで持続可能な細胞治療の仕組みをつくる」という構想は、現在、フィリピンを中心に実装フェーズへと進んでいます。
ヒューマンライフコードでは、日本で培ってきた臍帯由来間葉系間質細胞(UC-MSC)の製造技術・品質管理ノウハウについて、フィリピンで製造を担う人財への技術移転を進めております。

■臍帯由来間葉系間質細胞(UC-MSC)の培養風景(写真提供:ヒューマンライフコード株式会社)


現在は、現地施設整備に向けた準備も進んでおり、“その国で細胞を製造し、その国の患者さんへ届ける”国産国消型の細胞治療エコシステム構築に向けた取り組みが、具体的に進展しています。
Proud Partnersは、人財育成やグローバル人財支援の側面から本プロジェクトに関わっており、フィリピンに加え、UAEなども含めたグローバル展開に向けた連携も進んでいます。

両社は今後も、「人」と「医療」をつなぐ架け橋として、アジアにおける持続可能な医療エコシステムの実現に向けて挑戦を続けていきます。

なお、Proud Partnersは、上記の取組と並行しながら、特定技能人財を基軸としたグローバル化の促進として2025年には国内外食企業のフィリピン進出を支援したほか、2026年4月から特定技能人財の受入れ企業の海外進出支援を本格開始しています。
また、「アジア」の観点では、中央アジアのウズベキスタン共和国と国際労働協定を2025年9月に締結し、2026年2月には現地に特定技能人財の育成拠点として「UZBEKISTAN PROUD ACADEMY(ウズベキスタン プラウド アカデミー)」を開校し、まずは自動車運送業分野においてウズベキスタン人の特定技能ドライバーの育成を開始しています。2026年5月には国土交通省において、この取組みが自動車運送業分野の特定技能促進事例として選定されるなど、特定技能分野でのフロントランナーとして注目を集めています。
(以上)

ヒューマンライフコード株式会社
ヒューマンライフコード株式会社 Abu Dhabi Biobankと戦略的パートナーシップに関する基本合意を締結(2026/3/23)
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