株式会社近藤解体興業
苦い経験を乗り越えて、「人がいれば、事業は広がる」
近藤解体興業の特定技能人財の受入れ成功事例
目次
基本情報
サマリー
・特定技能人財の受入れ前
・特定技能人財の受入れ後
本編
・はじめに
・増え続ける解体需要と深刻な人手不足
・特定技能人材の活躍と成長を支える環境
・特定技能2号になって長く働きたい
・今後の展開
基本情報
社名:株式会社近藤解体興業(東京都)
代表者名:代表取締役 近藤丈司
事業内容:総合解体業
WEB: https://www.kondou-kaitai.tokyo/index.html
特定技能分野:建設業(建築)
特定技能国籍:インドネシア
サマリー
特定技能人財の受入れ前
大手不動産会社からの大型案件受注が順調で売上は上昇していたものの、日本人の現場管理担当者の応募が全く来ず、仕事が捌ききれない中で「人がいないのが一番の課題」でした。
かつて中国出身の技能実習生を受け入れたことがありましたが、日本語力不足や生活マナーの問題から現場や近隣住民とのトラブルがきっかけで、暫くの間、外国籍人財の雇用を控える、という苦い経験がありました。
特定技能人財の受入れ後
2023年3月から特定技能1号人財(インドネシア出身)を受入れ、2025年6月には新社屋と共に自社寮が完成するなど環境整備が進み、就労中の特定技能人財からは「ずっとここで働きたい」「特定技能2号になりたい」という長期就労・キャリアアップの意向が示されるなど、定着が進んでいます。
解体工事の現場では、日本人社員が近隣クレーム対応や調整を担い、特定技能人財は手元作業などの解体作業に専念することで、双方の強みを活かした現場運営を実現しています。
本編
はじめに
株式会社近藤解体興業(所在:東京都足立区、代表取締役:近藤丈司)は、主に都内(23区全域)で、木造家屋やビル・マンション、鉄筋コンクリートなど、あらゆる建物・様々な環境の現場にて解体工事を手掛ける総合解体業の企業です。
同社は大手不動産会社からの大型案件(RC造のビルやマンションの解体工事)の受注が順調で売上も年々上昇中です。
2025年6月には新社屋が完成し、敷地内には特定技能人財の生活拠点となる寮もあります。
近藤社長はこう語ります。
「仕事は捌ききれないほどある。人がいれば、全国展開もできる。
日本人も外国籍人財も両方必要。
事業を広げるには”人の力”が一番なんです。 うちでは、この4月にもう一人、インドネシアからの特定技能人財が入社しました。」

■左から、近藤社長、2026年3月着任の特定技能1号人財(ライハンディさん)
増え続ける解体需要と深刻な人手不足

■解体工事の現場(写真提供:株式会社近藤解体興業)
近藤解体興業が手掛ける総合解体業は、近年、解体工事における近隣対応の重要度が増していると言います。実際、解体工事の現場では、工事前の近隣への挨拶、工事中の騒音・振動・粉じん予防など、近隣への細心の配慮をしていても、近隣住民からの苦情・クレームは必ず発生するようで、現場にはクレーム対応のために最低1名の日本人を配置する必要があります。
近藤解体興業では、月平均15現場を回すほど解体工事案件が増加している一方で、日本人の現場管理担当者の採用が極めて困難な状況が続いていると言います。
「色々な求人媒体を試してみました。ですが、日本人の応募は全くと言っていいほど来ない。営業でも現場管理でも応募ゼロ。でも仕事はどんどん増える。人がいないのが一番の課題なんです。(近藤社長)」
同社の現場管理者は数名。この数名が連携して、東京・神奈川・埼玉といった解体工事の現場を飛び回り、クレーム対応・安全管理・協力会社の巡回などを担っているといいます。
「このままでは受注に対応できない」という危機感から、かつて、同社では、中国出身の技能実習生(2名)を雇い入れたことがあると言います。しかし、その技能実習生たちは、日本語力の不足、声が大きかったりなどの生活マナーの問題から、現場や近隣住民との間でトラブルが続いたそうです。
「中国出身の技能実習生に、現場で危険だよと言っても『ダイジョウブ』しか返ってこなくて困ったよ。それに当時は技能実習生用にアパートを借りていたんだけれど、たばこや声の大きさなどで近隣からも苦情が出て、正直”もう外国人はいいかな”と思ってしまいました。(近藤社長)」
近藤解体興業では、過去の技能実習での苦い経験から、その後しばらくは外国籍人財の雇用を控えていたとのことですが、2021年頃から特定技能制度を活用した即戦力人財の採用に動き出したと言います。
特定技能人財の採用には、Proud Partners社の支援を受け、2023年3月、同社にとって”特定技能 第1期生”であるインドネシア出身の2名が入社します。
「インドネシアの子たちは本当に優しい。みんなニコニコして、素直で、かわいいよ。(近藤社長)」
一期生のうち1人は今も同社で就労中で、もう1名は一度転職をしたものの、「やっぱり近藤解体で働きたい」と2026年2月に復帰。仲間からも「仕方ないな」と温かく迎えられたようです。
特定技能人材の活躍と成長を支える環境
近藤解体興業の特定技能人財は、手元(重機オペレーターや職人の隣で、道具の受け渡し、資材の運搬、清掃、分別などのサポートを行う重要な職務)作業を中心に経験を積んでいるといいます。
近藤社長は、特定技能人財への期待についてこう語ります。
「こわし(重機を使用せず、手工具で建物を丁寧に解体する)職人も足りていないので、こわしの技術も身につけて欲しいと思っています。また、重機(ユンボ)操作の練習を始めているコもいます。特定技能のみんなには、重機の免許を取りたいなら取ってもらおうと思っています。会社としても応援したいですね。(近藤社長)」
*ユンボとは、油圧ショベルやバックホーとも呼ばれる、土砂の掘削や積み込みを行う建設機械の通称です。

■ユンボ(写真提供:株式会社近藤解体興業)
なお、解体現場は近隣クレームが少なくなく、怒鳴り込んでくる住民もいるといいます。クレーム対応には高度な日本語力が必要なため、近藤解体興業では、「現場には必ず日本人を1名配置」というルールを徹底しています。
「現場の親方には、特定技能人財に近隣住民への対応面での注意事項を伝えてほしい、とお願いしています。(近藤社長)」
近藤解体興業では、日本人がクレーム対応や調整を担い、特定技能人財は解体作業に専念することで、双方の強みを活かした現場運営が実現していることが伺えます。
特定技能2号になって長く働きたい

■株式会社近藤解体興業の社屋と併設された自社寮(写真提供:株式会社近藤解体興業)
近藤解体興業では、2025年6月には自社寮(社有寮)が完成し、環境整備にも抜かりがありません。
同社に在籍する特定技能人財(1号)の支援業務を担当するProud Partnersの担当者によれば、定期面談時に「近藤解体は働きやすい。ずっとここで働きたい。特定技能2号になりたい」との声をたびたび聞くと言います。
特定技能2号は、長期就労・家族帯同が可能になる在留資格で、熟練した技能を持つ外国籍人材向けのものです。高い技能を持っており、試験等によりそれが確認されれば、「特定技能1号」を経なくても「特定技能2号」の在留資格を取得することができます。
彼らが特定技能2号を目指すということは、”この会社でキャリアを築きたい”という強い意思の現れでもあります。
「みんなよく頑張ってる。ユンボの練習もしてるコもいる。社内にユンボを使える人財が増えれば、もっと仕事を受けられる。(近藤社長)」
なお、「特定技能2号」は、特定技能1号の受入企業に求められる10の義務的支援の対象外であり、特定技能1号にあるような特定技能分野ごとの受入上限数も設けられておりません。
また、建設分野の上乗せ基準の一つである、企業における特定技能1号の受入人数制限(1号特定技能外国人の総数と外国人建設就労者の総数の合計が、受入企業の常勤職員の総数を超えてはならない)にある「常勤職員」に特定技能2号が含まれるため、受入企業にとっては特定技能2号人財が増えれば、特定技能1号人財の受入人数を増やすことができます。
今後の展開
解体業界全体を見渡すと、コンクリートガラ等の捨て場不足や運搬費の高騰などの課題も顕在化しています。利益率が圧迫される中で、施工力の高い協力会社と特定技能人財の存在は、近藤解体興業の事業継続・成長の鍵となっていきそうです。
実際、解体興業の主要取引先である大手不動産会社は、中部や九州にも拠点を持つため、人財が確保できれば、同社は全国展開も視野に入れていると言います。同時に協力会社の育成にも力を入れ、”共に成長するパートナー”として支援もしています。
近藤社長によれば、今後も特定技能人財の採用を継続しつつ、日本人の現場管理者も増やしていく方針とのこと。
最後に、近藤社長は、事業拡大の青写真についてこう語ります。
「日本人も外国人も両方必要。結局は人。
事業を広げるにも、品質を守るにも、すべては人の力が一番なんです。(近藤社長)」
近藤解体興業の事例は、特定技能人財が単なる労働力ではなく、企業成長の原動力になり得ることを示しています。特定技能人財の活用は、人手不足に悩む建設・解体業界にとって、大きな可能性を秘めた選択肢だと言えます。

■株式会社 近藤解体興業の現場を支えるメンバー
以上
関連リンク
・株式会社近藤解体興業
・株式会社Proud Partners、特定技能制度(建設)の登録支援機関としての強み
・特定技能人財に関する問合せ

